Vision

所信表明

公益社団法人周南青年会議所

2021年度 理事長 吉岡寛志君

想 続 ~for next generation~

 2021年は、東日本大震災から10年、東京オリンピックの延期開催が予定されており、日本にとって節目の年となります。

 そのような中、2020年から新型コロナウイルスが世界的に猛威を振るい、社会、経済に暗い影を落としています。新型コロナウイルスによる全世界の経済的損失について、アジア開発銀行は最大で940兆円という天文学的な損失を予測し、死者数は2020年7月の時点で全世界で50万人を超え、今後、更なる増加が懸念されています。

 日本に目を戻してみると、経済的損失については様々な予測があり10兆円とするものもあれば、60兆円とするものもあります。いずれにしても、リーマンショックと同等かそれ以上の経済的損失が予測されています。日本は他国と比較して死者数が少ないと言われていますが、死者数は2020年7月時点で1000人を超えており、多くの人命が奪われています。このように、新型コロナウイルスは、世界、日本の経済、人命に対して未曽有の損害をもたらしています。

 周南下松地域に目を向けると、新型コロナウイルスは飲食、観光業等を中心として地域経済に深刻なダメージを与えています。また、2020年7月時点では幸いにも死者こそ出ていませんが、新型コロナウイルスを発症した人、その家族は様々な非難、中傷、差別にさらされているという話が聞こえてきます。 このような新型コロナウイルスに感染するリスクがある中、100名近くの会員が所属する周南青年会議所が活動すべきか、活動するとすればどのような活動をすべきか、これらの問題に絶対的な正解はありません。そして、これを決めるのが2021年度理事長を務める私を始めとする役員理事であり、これは2021年度役員理事に課せられた大きなテーマです。

 私自身は、国、県、市等の公的機関が定めた行動様式、マニュアルに沿いながら、可能な限りで従来と変わらない青年会議所活動を続ける道を選びます。

 周南青年会議所の会員が青年会議所活動の際に新型コロナウイルスに感染する、その家族、従業員が新型コロナウイルスに二次感染する、周囲からの批判、中傷、差別にさらされるという不安、恐怖は確かにあります。しかしながら、公的に定められた行動様式等に従う、周南下松地域にとって有意義な活動を続けていくということで、このような不安、恐怖は軽減できると信じています。

 そして、何より、このような新型コロナウイルスの影響で暗くなりがちな時代だからこそ、我々青年経済人が活動を続け、周南下松地域に活力、希望を与えていくべきです。

 そこで、2021年度周南青年会議所において「コロナがあるからできない」は禁句として、「コロナがあるからこのような活動をする」という青年会議所活動を展開して参ります。

スローガンについて

 徳山青年会議所と下松青年会議所が合併して誕生した周南青年会議所は2021年度で19年目となり、翌2022年度は20周年という節目の年を迎えることになります。

 合併承認時には120名に及んだ会員数は微減を続け、2021年度のスタート時には現役会員が70数名となる見込みです。

 青年会議所活動を継続していくために会員数の維持は必須ですが、次世代の会の中心として第1に期待されるのは幼い頃から青年会議所活動を身近に感じてきた会員の子女です。

 会員自身が我が子に見られて誇れる活動を続けていくこと、我が子を入れたいと思える組織へ維持、昇華させていくことこそが周南青年会議所を次世代へと承継させる最良の方法です。

 スローガンの「想続」(そうぞく)には、我々現役会員は先輩方の様々な想いを継承しなければならないし、現役会員の様々な想いを次世代へ引き渡し、次世代に青年会議所活動を続けてもらいたいという希望が込められています。

組織改革について

 「青年会議所の主役は委員長」という言葉はよく耳にします。そして、その言葉に間違いはありません。しかしながら、委員長の役割は、委員会をまとめること、若手会員を育成すること、卒会生を送ること、議案を作成すること、理事会で審議をとること、事業を実施すること等多岐にわたり、その全てを成し遂げるためには委員会メンバーのサポートが欠かせません。

 そこで、2021年度は各委員会に2名の副委員長を配置して、委員長をサポートする体制を強化します。また、副委員長は委員長への登竜門でもあり、委員長未経験者が副委員長になれば、委員長を務める準備となりますし、委員長経験者が副委員長になれば、自身の経験に基づく手厚いサポートを行うことができます。

 このように、各委員会2名の副委員長を配置して、委員長のサポートを強化し、事業の充実、委員会内の結束の強化等につなげます。

拡大活動について

 「周南青年会議所の魅力は何か?」アンケートをとった場合、1番か2番にあがる回答は「会員数が多いこと」だと思います。会員数が多いから100万円、200万円という予算を使った大規模な対外事業ができる、会員数が多いから気が合う仲間ができ、自己成長につながりやすい、会員数が多いからビジネス上の出会いが多い等、会員数が多いことのメリットは計り知れません。それは逆を言えば、会員数が減ってしまった場合に、このようなメリットを失ってしまうことを意味しています。会員数が半減した場合、同じように活動しようとしても予算規模の小さい事業しか行えない、出会える人間が限られ成長の機会が減り、ビジネスチャンスが少なくなる等、多大なデメリットが生じることは火を見るよりも明らかです。

 このように、会員数の増減は周南青年会議所の会だけの問題ではなく、個々の会員にとって極めて重大な問題なのです。会員数を維持、増加していくことは会員にとって非常に大きな問題であること、このことを個々の会員に認識してもらうことから2021年度の拡大活動は始まります。

 新型コロナウイルスにより、人と人が接触しないことが求められる時代、そのような状況下でどのように拡大活動を行えばよいのか?2021年度の青年会議所活動をスタートさせるにあたって、まずはこの難題に取り組まなければなりません。私が考え出した答えはみんなで拡大活動にあたることです。もちろん、例年から拡大は拡大委員長だけの仕事ではなく、LOM全体で取り組むことだと言われてきました。今年は更にそれを一歩進めて、2021年度は全委員会に拡大の名称をつけて文字通り、最優先課題としてLOM全体で取り組んで参ります。

青少年事業について

 政府、厚生労働省の調査によれば、2019年の男性の育児休暇取得率は6%台、男性の1日の平均育児時間は50分程度であり、ヨーロッパ諸国と比べて非常に低い基準にあります。

 男性の育児参加によるメリットは、正社員として働く女性の増加、子どもの考え方の多様化等、枚挙に暇がありません。それにもかかわらず、日本の男性の育児参加が先進国の中で遅れたままとなっています。

 そこで、周南青年会議所で父親の育児参加を促す契機となる事業を実施して、事業に参加した父親に育児参加を促すだけでなく、会員に対しても育児参加の意識を高めていきます。

研修について

 2021年度は全委員会が拡大の名称をつけて、全委員会で新入会員の獲得を目指しますが、入会した後は研修拡大委員会が研修会員の研修を請け負います。研修拡大委員会は、他の委員会が入れた研修会員を受け入れるため、例年よりも一歩踏み込んで人間関係を構築しつつ、研修、育成を行っていく必要があります。他の委員会も自分たちの委員会が入れた研修会員を中心に気を配り、LOM全体で研修会員を育てていくことが求められます。

 既に学校を卒業してから何年も経ち、会社の経営者、中心人物として活躍している新入会員に対して研修する、これは非常に難しい課題であり、若干の違和感を感じる課題です。このような新入会員に対する研修を考えた時、私自身の経験を思い返してみると、私自身が青年会議所活動を通じて成長した際には常に成長させてくれる他の会員がいました。私自身は青年会議所活動による成長の源は座学ではなく、人を通じた学び、気づきにあると感じてきました。周南青年会議所の門を叩いてくれた新入会員には、ぜひ多様な会員、新入会員同士で触れ合い、互いに刺激し合い、そのような出会いを通じて、自己成長の契機にしてもらいたい。

このように、人を通じた良質な刺激こそが最良の研修と考え、新入会員にはこのような刺激を受けられる事業を展開していきます。

福祉について

 厚生労働省の発表した2018年度障害者雇用実態調査結果によれば、民間企業で雇用されている身体障害者の平均賃金は21万5000円とされています。一方、厚生労働省の同年度賃金構造基本統計調査によれば、全労働者の平均賃金は30万6000円とされています。この約9万円の差は大きいでしょうか。それとも小さいでしょうか。感じ方は会員それぞれだと思います。

 私個人の想いとしては、予想よりも差は小さいが、今後、この差を埋めていく必要があるということです。一昔前と比べて、様々な業種でIT化が進み、身体障害によって制約を受ける仕事内容は各段に減ってきています。身体障害者が健常者と同等に近い条件で働くことができる職種、職業は確実に増えてきています。

 このような状況下で身体に障害ある子ども達が身体障害による将来の制約が思っているより小さいことに気づいてもらい、将来に希望をもって、勉強、スポーツ、芸術活動等に努めることができる契機を作ることが非常に重要です。

会員交流について

 「周南青年会議所に入会しなければ出会えなかった人と出会い、周南青年会議所で出会わなければ友情を築けなかった人と友情を築く、そしてその友情が自己成長、ビジネスにつながり、やがては地域経済の発展、まちづくり等へとつながっていく」私の考える青年会議所活動の醍醐味です。会員交流こそが青年会議所活動の核心であり、変わることがあってはいけないものです。

家族について

 青年会議所活動は家族の理解、協力がなければ継続できるものではありませんが、この家族の理解を得ることに多くの会員が苦しんでいるのが現状です。まずは、家族に会員相互が交流する様子、事業の様子を見てもらい、青年会議所活動の醍醐味の一端でも感じてもらう。これが家族の理解、協力を得る一助になります。

SDGsについて

 2019年度から日本青年会議所は「日本で一番のSDGs推進団体になる」を合言葉にSDGsを普及させる運動を一斉に開始しました。その年から徐々にSDGsという言葉が会員にも浸透し始め、SDGsの意義等についても徐々に理解が深まっているところです。

 ところで、日本青年会議所はどのような理由でSDGsに取り組み始めたのでしょうか、青年会議所がSDGsを推進する意義とは何なのでしょうか。青年会議所とSDGsの関係について、会員が正確に理解することはSDGs運動を展開していく上で不可欠です。

 これまで、SDGs について概括的に学んできて、会員の中で17の目標169のターゲット等の言葉、イメージは徐々にできてきています。このような状況において、周南下松地域に根差した1つの目標に焦点を置いた事業を展開することにより、よりSDGs が身近な問題であると感じ、深い理解が得られるはずです。

例会について

 「例会出席は義務」周南青年会議所の会員であれば誰もが知っているこのルール、実は定款等の諸規則にこれは明記されていないことをご存知でしょうか。強いて挙げるならば会員資格規定に例会を3回以上欠席した会員は勧告を受けるとの規定がありますが、これも毎回の出席を義務付けるものではありません。では、なぜ「例会出席は義務」というルールが生まれ、このルールが続いているのでしょうか。推測ではありますが、これは月1回の集まりを重んじる歴代の先輩方の思いが作り出した不文律であり、それが脈々と受け継がれているからだと考えます。

 例会こそ最も出席率が高い事業であり、例会以上に会員へ情報、思いを伝えることができる場はありません。例会は伝統と高い出席率に支えられた非常に重要な事業であり、仮にコロナが再度蔓延したとしても、web等を利用して、何らかの形で月1回は実施し続けるべきです。

 そして、例会時のセレモニー、所作は統一されているからこそ形式美があり、統一感は必須のものです。 委員会アワーは各委員長、委員会が他の委員会に対して、自己の委員会の活動を伝える場であり、各委員会の事業と例会の事業は一体をなすものにしていきます。各委員長、委員会には例会、それ以外の事業を1本の太い幹でつながった一連の事業として展開してもらいます。

卒会式について

 「JCは大人の学校」一度は耳にしたことがある言葉だと思います。「学校で一番大事な行事は何か?」入学試験?運動会?文化祭?間違いなく卒業式です。周南青年会議所においてもこれは同じであり、一年間で最も大切な事業は例会、対外事業等ではなく、卒会式です。

 周南青年会議所で活動を続け、40歳を迎えた会員を送り出す事業、私は、卒会生が伝えたいと思っていることを伝えたい人に伝えることができ、卒会する姿を見せたいと思っている人に見せる場こそ卒会式の根本です。

 卒会生全員が2021年度に卒会して良かったと心から思えるような卒会式を準備することは、2021年度で最も重要な課題の一つと考え、周南青年会議所一丸となって卒会式を実施します。

結びに

 20年前、当時の徳山青年会議所、下松青年会議所の先輩方の英断による合併で誕生した周南青年会議所は2022年度に20周年を迎えます。この英断によって周南青年会議所は100名近くの会員で活動を継続してくることができました。

 しかしながら、新型コロナウイルスの流行、全国的な会員数の減少の影響で、周南青年会議所は未だかつてない会員数減少の危機に直面しています。このような危機を乗り越えるために、20年前の諸先輩方のように、前例に縛られない英断を下す必要があります。

 私は2021年理事長として、役員理事一丸となって不退転の覚悟で、この危機に挑んでいく所存です。

本当の友情と自身の成長を実感できる組織です

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